RYOさん の日記
| 05月 31日 22:04 | ぎりぎりですが |
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お題「一宮瀬伊」に挑戦しました。 一宮瀬伊と言う人の成分は音楽と甘い物で構成されてるんじゃないだろうかと、泡立て器を手にむぎはそんなことを考える。 (あと、悪戯も?) 考えながらも、手が動くのは手慣れた作業だからだ。瀬伊に頼まれて、甘い物を作るのももうすっかり習慣のようなものだ。 (でも、毎日あんなに甘い物食べてて太らないんだよね……) そう考えて、ムッとする。甘い物が好きだけれども、カロリーと服のサイズを秤に掛けなければならない乙女としては、羨しく、嫉妬メラメラだ。 「女の子の敵だ……」 思わず、そうつぶやいてしまうのも乙女心である。 「何が女の子の敵なの?」 「うひゃあ!?」 問題なのは神出鬼没かつ、気配を出して抱き付いてくる存在だ。 「瀬伊くん、キッチンに立ってる時に抱き付かないで~」 「え~。だって、ケーキ作りながら、『女の子の敵』とか物騒なこというんだもん。止めなきゃって僕の良心が痛んじゃう」 嘘だ、とむぎは思う。楽しそうな声にしか聞こえない。 「で、僕の何処が女の子の敵?」 「え?」 名指しはしてなかったはずなのに…と、むぎが慌てて瀬伊の方を向く。 「な、なんで?」 「フフン、僕は妖精さんだし?」 しれっと答えるあたりで何処が妖精だ、小悪魔の間違いじゃないかと思うが口には出さない。出したら、何をされるかわかったものではない。むぎにだって学習能力はある。 「だって、瀬伊くん、夜中にケーキ食べても太らないんだもん」 「太らない体質だって話したよね?」 「だから、女の子の敵なの~。女の子は甘いもの大好きなんだよ? でも、太るの嫌だから我慢するのに! 我慢しなくていいなんてずるい……」 「……理不尽」 「う……」 そう、確かに今のは瀬伊の言うとおりにむぎのほうが理不尽な物言いなのだ。 「ごめん……。ケーキの続き、作らせて」 流石に申し訳ない。明日は杏仁豆腐を作ってあげようと自主的にそんなことを思う。 「……体質もあるけどね。ピアノ弾くから。結構体力いるんだよ」 「そうなの?」 「うん。だから、すぐにおなかすいちゃうし。むぎちゃんが来る前はお菓子を買い込んで、ピアノ室に篭城してた」 そう言って、瀬伊はボールの中の生地を指で指で掬って舐めてみせる。 「市販のお菓子もいいけど、むぎちゃんの作るケーキを食べてピアノを弾くと、いい音が生まれそうな気がするんだ」 「そんなこと……」 「あるよ。メンタル面に左右されるからね。僕がピアノを安心して弾けるのはむぎちゃんあってだもん」 にっこりと笑う瀬伊の笑みになんだか自分の中のもやもやが消えてしまう気がするあたり、現金だと自分でも思う。 「ケーキができたら、呼んでね。冷ましている間にピアノを弾いてあげるから」 「ひゃ?」 むぎの頬に軽くキスを落とすと、極上の笑みを浮かべて、そう立ち去る瀬伊にむぎは自分の頬が赤くなるのを感じた。 「やっぱり、女の子の敵だ……」 頬を押さえて、むぎはそう呟いた。 ……FIN 太らない体質は羨ましい…と言うところから思いつきました(笑) |
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