icon01 lieさんの日記

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05月 12日 21:26 約束
寝込んだのは…むぎだった。
羽倉の帰りを待っていたみたいで。
「寝不足からの過労だって。
おとなしく寝てて」
彼女の世話をしながら…とはいかないけど。
彼女にずっとついていたくて。
「もう大丈夫。
ありがとう瀬伊くん」
ふっ切ったと。
やっぱりむぎは強がっている。
そんなに簡単に初恋を終わらせるなんて出来ないはずだよ。
「泣かないの?」
「…」
「泣けないの?」
「!」
やっぱりね。
彼女はまだ現実を受け入れていないんだ。
羽倉と別れたという事実を。
「泣いていいんだよ。
ううん。
泣いてしまった方がいい。
きちんと失恋しようよ」
「失恋…なのかな?」
「失恋なんだよ。
羽倉の事、好きだったんでしょう?」
僕とは違う気持ちで。
多分と曖昧に答えるから…追い打ちをかけてみよう。
”ちゅう”
唇に触れるだけのキス。
真っ赤に染まる彼女。
「嫌…だった?」
「……」
そう、これは肯定。
「僕はむぎが好きだからキスをしたんだからね。
好きでない女の子とはキスしないんだからね」
「…うん。初めて…だったの」
本当に?初めてなの?
ふふ。
羽倉ったら。奥手だったんだ。
「謝らないよ。
僕はむぎが好きだから謝らない。
その代わりに約束するよ。
むぎを離さない。
ずっと大切にする」
好きだよ…と。
「約束して。
きちんと失恋して。
僕の気持ちを考えて」
「…う、うん」
初めてのキスの衝動か…泣いている。
泣いて泣いていつか泣きやんだら。
僕に笑顔を見せて。
僕の恋人になって。
僕の最後の恋人に。



今は僕の腕のなか。
そっと包んでいてあげるから。





「羽倉がアメリカに行った。
鈴原、どうする?」
「追い掛けては行かない。
あたしはもう少しここにいたい。
ここで…考えたい」
「わかった。だが…一つだけ忠告しておく。
頭でっかちになるなよ。
騙されるぜ」
「…うん」
やっぱり。
麻生くんとはダメになっちゃった。
何が原因だったのかな?
わからないや。
瀬伊くんは今までよりも少し距離をおいているみたい。
一哉くん、依織くんは腫れ物に触るように接している。
あたし…恋に恋していたのかな?
またわからなくなっちゃう。
好き…なのかな?
瀬伊くんが。
キスしても嫌じゃないよ。
たまに…キスして欲しいとねだったりするくらいに。
まだ…笑えない…な。
約束なんてしなければよかった。
そうすれば…ただ流されて瀬伊くんに恋をした。
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