icon01 lieさんの日記

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05月 12日 21:25 見つけた幸せ
翌日。
朝帰りをした羽倉と会った。
僕が見てもやつれた顔をしている。
「どうしたのさ。
むぎちゃん、心配していたよ」
「ビリヤードでさ…こう…なんて言うのか血が騒いで。
一眠りしたらばまた行くわ」
「羽倉!!」
彼女が立ち聞きしていたの…気が付かない振りをした。
羽倉の我が儘な面を見せて。
むぎちゃんの気持ちを揺さ振って。
ふふ。
もう少し。
案の定。
出掛けようとした羽倉とやり合っている。
「一宮、好い加減にしておけよ」
一哉の言葉。
一哉だって待っているんじゃないの?
彼女が羽倉と別れるのを。
僕は、待っているだけじゃない。
待ってなんていない。
彼女が僕にくれた新しい温かな思いを空間を確かなものにしたい。
僕だけのものにしたい。
だから…罠を張った。
「やせ我慢はよしたら?一哉」
「…!そうだな」
お手並み拝見だと。
僕は負けず嫌いなんだよ?
負けるような勝負は仕掛けないさ。
見付けた小さな幸せを手に入れる為ならば。

羽倉の部屋から泣きながら出て来たのはむぎちゃん。
大きな音がしたかと思ったら…。
家を飛び出して行った。
「追い掛けないの?
追い掛けないなら…僕が行く」
「もう…ダメみたいだ」
羽倉のつぶやき。


「やっぱり此処だった。
捨て家政婦さんを拾いに来たんだ」
「帰れないよ。あたし、帰れない」
なんで?泣きながら帰れないと。
「ならば…僕も此処にむぎちゃんの隣にいる」
「ダメだよ。瀬伊くん。風邪ひいちゃうよ」
「そうしたら、むぎちゃんが看病してくれる?」
「へ?うん」
帰ろうと。
一哉の家に。
「君が一哉の家に来てね。
見付けたんだ、小さな幸せを。
君の側に…。
守りたいんだ。
その小さな幸せを。
守らせて欲しい。
一緒に守って欲しい」
「……。
瀬伊くん」
僕の腕に…今。
むぎという幸せが落ちてきた。
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